第三回アルバム”整理術”コンテストを主催するナカバヤシ株式会社の西浦さんに、コンペナビ編集長橋本がお話を伺ってきました。
悩ましい写真の保存法。実は紙が最強だった?!
- 橋本
- ものすごく私事なんですけど、最近結婚しまして。
結婚式の写真を整理しているときにつくづく思ったのですが、写真の保存方法って結局なにが正解なんだろうと…。
デジカメやスマホで気軽に何枚も撮れるのはいいのですが、膨大な写真をそのあとどうするかというのが悩ましいんです。アプリで管理するにしても、たくさん種類があって何を使えばいいのか途方に暮れていました。
そんなとき、このコンテストのことを知って、「あぁ、いっそのこと紙のアルバムにまとめちゃえばいいんだ」と思いました。それまではプリントするという発想がなかったんです。
- 西浦さん
- デジタルって劣化しないし、半永久的に残るようなイメージがありますけど、案外あっさり無くなっちゃいますよね。
ハードディスクの寿命は5年、DVDなどのディスクは50年と言われています(※諸説あります)。
一方で紙は、保存状態が良ければ数百年残ります。
災害にあってしまっても、デジタルだったら水に濡れたら一発でアウトですが、紙だったら濡れても泥まみれになってもなんとか修復できます。
じつは、保存性という点は抜群なんです。
- 橋本
- 保存性、一番なさそうだけれど実は一番あるんですね。
デジタルで撮って、良いのを選んでアナログで保存というのが、現状では一番よさそうですね。
- 橋本
- ちなみに西浦さんはどのように保存しているのですか?
- 西浦さん
- 私自身は写真を撮ることは大好きなんですが、アルバムの整理というと正直なかなか難しくて。
不器用だし、時間がないし、女性みたいなセンスもないし。
だから元からあまり無理はしないようにしています。
整理収納アドバイザーのEmiさんが提唱されている方法なんですけど、シンプルなポケットアルバムの見開きページに1か月分の写真をまとめるようにしています。
見開きで12枚ポケットがありますので、一か月の写真を12枚選ぶだけでまとめることができます。
整理収納アドバイザーEmiさんこどものアルバムづくり
- 橋本
- なんだか少ないような気もしますが。
- 西浦さん
- いえ、やってみるとわかるのですが、ルールを決めて取捨選択することで整理がとてもしやすいですし、見返す時も楽なんです。
でも正直、残し方はなんでもいいと思うんです。
コンテストに応募してくださるアルバムを見ていると、アルバムの整理に決まりというのはなくて、その家族にあった方法を探していけばいいんだなということに気づかされます。
コンテストのポイント?
- 西浦さん
- もともと弊社は12月5日を「アルバムの日」として制定しているんです。なぜ12月5日かといいますと、アルバム整理ってやらなければいけないと思いつつも、「いつか時間ができたら」「いつか子供が大きくなったら」とどうしても先延ばしにしてしまいますよね。
年の瀬の忙しい時期ですが、少し立ち止まって一年を振り返ってもらいたいという願いを込めて、一年の最後の12月の5日(いつか)にしました。
- 橋本
- そういうダジャレなんですね(笑)
ですが、たしかに写真整理ってめんどうですよね。
- 西浦さん
- 私たちのコンテストが求めるのはアート作品ではないので、綺麗に作ったらいいというものでもないんです。
凝った装飾があるアルバムももちろん素敵ですが、家族の記録となるアルバムは、毎年整理し続けることに一番の意味があると思います。
ですので、なるべく負担が少なく、楽しく作業をしていただきたい。
コンテスト名にも“整理術”という言葉がついていますが、本当にここがポイントなんです。
- 橋本
- 今までのコンテストの応募作品の中で印象に残ったものはありますか?
- 西浦さん
- 第二回コンテストのグランプリの方がやっていた、優先順位に合わせて写真の大きさを変えるという「メリハリ整理」ですね。
たとえば、お子さんのすごく良い笑顔の写真は2Lで大きくプリントして、寝返りをうっているところをコマ撮りしたものは小さく分割印刷するというものです。
1ページの中で、写真の大きさでメリハリをつけるというやり方です。- 単純なようですけど、私たち審査員にとって意外とこの発想はなかったんです。
なるほど、こんな整理術があるんだなと。
過去の優秀作品はこちら - 単純なようですけど、私たち審査員にとって意外とこの発想はなかったんです。
- 橋本
- デジタルとアナログの良いところを上手く組み合わせいますね。
- 西浦さん
- じつはこれがきっかけになって、分割印刷を手軽にできる÷フォトというアプリをリリースしたんですよ。
L判サイズに複数枚の写真を配置・プリントできるアプリでして、これを使うととても簡単にメリハリアルバムを作ることができます。
- 橋本
- コンテストでアイデアを集めて、ユーザーに還元するという良い循環ですね!
最後にひとこと!
- 西浦さん
- アルバムというのは過去を未来につなげるツールです。
自分が年老いたときに、子供や孫に自分のことを伝えられる唯一の手段じゃないかと思います。
小さな子供をもつお母さんからの投稿が多いのですが、これを機会に10代、20代の方にもトライしてもらって、アルバム作りの楽しさを知ってほしいですね。
コンンテスト公式サイト 第三回アルバム”整理術”コンテスト
参考サイト Webマガジン「アルバムをつくろう。」