『乾杯している写真を募集』なんとも幸せなコンテストですね。
大賞の賞品、日本酒一年分にも惹かれて、日本酒で乾杯推進会議の狩野卓也さんにお話を伺ってきました。
乾杯の写真って実はあんまりない
-コンテストの目的を教えて下さい。
大きく2つあります。
一つは、日本酒で乾杯推進会議の活動を広めること。おかげさまで会員は4万人以上になり、年に2回フォーラムを行っているのですが、やや堅めの内容なので、もう少し気楽な方法で日本酒の輪を広げていきたい、と。
もう一つは、乾杯の推進をしている我々でさえ、乾杯をしている良い写真ってあんまり持っていなかったのです。あんなに毎日飲んでるのにね(笑)。会員たちのなかでそういうの欲しいよね、となりまして。
いろんな人が、いろんな場所で、いろんな方法で楽しく乾杯している写真を集めたいと思うようになったんです。
大げさにいうと、一つの文化の記録という意味もありますね。
長かった日本酒冬の時代!
この活動を始めた頃は、日本酒にとってアゲインストの風がぴゅうぴゅう吹いている時代でね。
たとえば外務省が各国の国賓を招いてやるパーティーではワインが中心で日本酒がなかったんです。「普段の飲み慣れていない酒を出すのはおもてなしではない」なんて言って。
今だったら考えられないですよね。
もっと一般的な話だと、ホテルの宴会、たとえば結婚披露宴でも通常プランだと日本酒が出ない。ビール、ワイン、ウイスキーは出るけど、「日本酒も出してよ」と言うと、追加料金が取られる時代でした。
この会議を立ち上げた12年前は日本の伝統文化や日本酒というものがないがしろにされていて、このままでは日本文化や日本酒はますます衰退していきそうな時代だったんです。
最近でこそクールジャパンと言われて日本文化が見直されていますけどね。
このコンテストはそんな時代に構想し始めたものです。
今回で6回目の開催ですが、おかげさまで投稿数は毎年増えています。
少しずつ認知されていっているんだと思いますね。
せめて日本酒で乾杯してくれ(笑)
-集まる作品の傾向は?
作品のクオリティは年々上がっています。
最初のころは、そもそも日本酒以外のお酒も混ざっていましたからね。
何人かで乾杯している写真なのですが、日本酒に混じってビールで乾杯している人がいたり…。実際の場では当たり前の光景ですが、日本酒で乾杯フォトコンテストの趣旨からしたらちょっと具合が悪いわけですよ(笑)
写真の上手い下手もそうですが、私たち的に「こういう写真が欲しかった!」というのも入賞しやすい傾向にあります。これは想像もつかなかったな、というシーンとか。
たとえば、若い男女がくっつき合って乾杯している写真。
はじめは「なんだこれは…?」という感じだったんです。写真の解説を読んでみると、友達のカップルが一ヶ月ぶりの再会で美味しい日本酒で乾杯したとのこと。いい写真だけどコンテスト的にはどうかなと思いつつ候補として残したのですが、審査会では「こういうのもいいな」と衆議一決して入選しました(笑)
他に変わったのだと、パソコンの画面に向けて乾杯をしている写真。
これもどういうことかと解説文をみると、どうやらカナダに嫁いた娘の旦那さんが、Skypeを使って日本のご両親と乾杯しているんですね。
こういうシーンも使い方も、全く想像できないものでした。
このコンテストは、フォトコンテストといっても、アイディア賞的な意味合いもあるんですよ。
だから、そうですね、投稿者はセミプロ級2割、純粋なアマチュア8割といったところでしょうか。
もちろん一眼でしっかり撮ったものが選ばれることも多いですが、アマチュアの方が撮ったもののなかで「これだ!」という衝撃的なものも少なくありません。
写真のプロが審査するわけではないんです。
日本酒一年分? 太っ腹な賞品!
-賞品がすごいですね。大賞だと、全国の銘酒4合瓶を1年分(120本)、入賞だと3ヶ月分(30本)、佳作でも1ヶ月分(10本)ですよね。
賞金は大賞でも5万円と少ないのでね、せめて副賞を目立たせないと。
日本全国から様々な銘柄を集めています。
酒造組合がスポンサーなだけにそこはすごいですよ(笑)
日本酒好きにはたまらないと思いますね。
量の根拠は一人で飲むのではなく、誰かと一緒に月に10本飲んでくださいと、二人分で計算しています。
大賞の日本酒一年分の配送は、分割して受け取ることも可能です。ふつうは分割ですけど、前回大賞を取った方は一括だったな。
知り合いのお寺のホールを貸しきって友達と受賞記念パーティーを開いたそうです。
ただ酔うためでなく、日本酒の美味しさを楽しむために
-最後に一言お願いします。
きちんと日本酒を飲みたいという人は増えていると思います。
そういう人たちには、日本酒を選ぶ理由が必要なんですね。日本酒に合う料理だったり、日本酒に合うシチュエーションだったり。
私たちとしては、そういった理由のひとつとして「日本酒で乾杯」することの意義を説いています。
乾杯をするときって「皆様のご多幸を記念して~」ってよく言いますよね。
じつはこの祈念する対象は日本の神様や風土なんです。
それであればこの土地で作った大事なお米から造った日本酒で乾杯をするのは自然なことではありませんか。
このコンテストを通して、多くの方が「日本酒で乾杯」するようになって欲しいですね。
【コンペの概要】
日本酒で乾杯推進会議では、日本酒で乾杯している写真のコンテストを実施いたします。
「日本酒で乾杯」をしている姿の写真(笑顔・幸せ・満足など、現代的な乾杯・伝統的な乾杯・儀式・宴会)であればどんなシチュエーションでも結構です。
その乾杯についての説明やエピソードを書き添えてご応募ください。
【コンペの応募期間】
2016年07月15日(金) まで
【主催】
日本酒で乾杯推進会議