第10回TOHO学生映画祭CM部門のグランプリに輝いた、早稲田大学4年の村松優翔さんにお話を伺いました。

自分が撮るよりも人を応援するのが好き
『こたつむり』助監督として

――村松さんはクラウドファンディングで友人の映画の資金を集めたり、ところざわ学生映画祭の実行委員長をやったりと、自分が撮る以外の活動も広くやられていますよね。

自分も最近気づいたんですけど誰かを応援するかたちがけっこう合ってるのかなって。
世話好きっていうか応援するのが好きですね。
自分が意図せずに任されることが多いですけど、ほんとはあんまり表舞台には立ちたくないんです。

――意地悪な質問なんですけど、同世代の才能ある人を応援するとき嫉妬とかしないんですか?今は同い年の新藤早代監督の『こたつむり』の助監督をされているそうですが。

そうですね。たしかに……。
嫉妬心ってなくはない。なくはないんですけど、あの子の場合って特殊で、新藤と仲良くなるとみんな応援したくなるみたいで。。
僕の場合は、自分が知っている学生の中で抜群に魅力的で才能があって、もう自分よりずっとすごいというのがわかっちゃって、嫉妬とか比べるものではないなと。
でも力にはなりたいと思って、共存するというか対等な立場で応援していきたい、彼女ができないところで自分が役に立ちたいと思ったんです。
変な話、けっこう危うい子というか、写真とか芸術的な才能はすごくあるけど、他がぼろぼろなので(笑)

――新藤監督の『こたつむり』はクラウドファンディングで撮影資金を集めていましたが、これは村松さんの発案なのですか?

新藤と自分と、もう一人広報の女の子3人で考えました。
新藤が早稲田映画まつりでグランプリを獲って知名度も出てきたので、いけるかなと思ったんです。

クラウドファンディング、じつは開始8時間くらいで目標を達成しちゃったんですよ。
目標金額は10万円で設定していたんですけど、とてもありがたい話なんですが、公開後すぐに一人の方が10万円入れてくれちゃって。
新藤は以前に早稲田映画まつりで『おにぎりむすめ』っていう作品でグランプリを取ったんですけど、それを観てファンになった大人の方でした。
クラウドファンディングの運営会社の人も、こんなこと普通ないって言ってて、僕たちも全員びっくりでしんたね。
深夜12時から開始して、「今日から始まるね」って言ってたら、朝起きてみたら達成してたんで。

新藤に徐々にですが、コアなファンがついてきているのを実感しましたね。

あと、主演の女の子は三村ことみさんといって、今、「いい部屋ネット」のCMに出ている子なんです。
早稲田の映画サークルに所属しつつ、多方面で活動していて、かなり人気が出てきています。
彼女のファンの方からの支援もけっこうあったんじゃないかと思います。

サクっととれちゃったグランプリ
TOHO学生映画祭について

--今回のTOHO学生映画祭以外でもCMを撮ったことはあったんですか?
じつは2年前のTOHOにも応募していたんです。そのときはノミネートはされて審査会には出席したんですけど、賞は取れずでした。それで今回はリベンジできたかなと。

30秒って作る側からするとあっという間で1コマ1コマがもったいない。
最初仲間3人で企画して、キャストの2人を加えて5人だけで全て完結させました。
弟がお姉ちゃんに料理を作るという話なのですが、とことんかわいい作品にしてやろうと思いましたね。


※この作品は5/7〜5/20の2週間、TOHOシネマズの全劇場全作品の幕間に上映されます
 
--苦労したところってありますか。

うーん…あんまり苦労していないんですよ(笑)
撮影場所は僕の自宅ですし、編集も1日で終わって、かかったお金もパスタ代と野菜代くらい。

もちろん撮り始める前にしっかり内容は固めました。
学生映画あるあるなんですけど、十分に準備せずにとりあえず撮っちゃって最後ぐたぐだになるという経験はこれまでたくさんしてきたので(笑)

今回の審査員にCMプランナーの福里さんがいるとわかった時はテンション上がりましたね。大学一年生のときからすごくファンで。
コンテストがきっかけで、憧れていた方と繋がれて本当に嬉しかったです。

あと、審査員だけでなく、同年代の映像を撮っている人たちと交流できたのも嬉しかったです。
こんなにすごい作品作っている人がいるんだと思って刺激になります。
そういう人との繋がりは映画祭ならではだと思いますね。

100年続く学生映画祭を創る!
ところざわ学生映画祭について

--村松さんが実行委員長のところざわ学生映画祭について教えて下さい。

そもそものきっかけは、所沢の情報発信サイト『とこなび』を運営している山下さんという方がいて、その人が「所沢で映画撮ってる人がいるならみんなで一緒に映画祭やればいいじゃん」というノリで、所沢近辺にある映像系の大学生をつなげてくれたんです。

去年第一回を開催してわかったんですけど、所沢の街自体が学生を応援しようとしてくれる人が多いんですよ。
たとえば、たわしおじさんとか知らないですか?
シルクハットにマントという姿で、タワシを連れているっていう。。

そのたわしおじさんがじつは所沢愛がすごい方で、去年からこのところざわ学生映画祭を応援してくれています。
「100年続く学生映画祭を創ろう」と、たわしおじさんが言ったフレーズをそのまま映画祭のメインスローガンにさせてもらっています(笑)

その方以外にも所沢の大人の応援がすごいんですよ。
愛に溢れている。
去年は人が集まらないかもしれないと不安だったけど 実際は150席の会場から人があふれるほどでした。
しかも、朝の開幕から閉幕まで、半分以上の人がずっといたんじゃないかと思います。
新聞に取り上げられたからだと思いますが、学生映画祭なのにおじいちゃんおばあちゃんの問い合わせが多かったんです。
大人の方に学生がどんな映画を撮っているか知ってもらいたいというか。
学生映画ってふつうは観る機会なんてほとんどないですからね。

--自分で監督をしたり、クラウドファンディングで友人監督をサポートしたり、映画祭を企画したりと幅広く活動されている村松さんですが、次に目指すところは?

いま気になっているのはVR(ヴァーチャル・リアリティー)ですね。
VRって海外ではけっこう動いているんですけど、日本ではまだまだ一般には浸透してないですよね。
でも自分は知れば知るほどめちゃくちゃコレ面白いなと思って。
これまで自分がやってきたことを新しい切り口で全部活かせるし、そっちの方向でなにかできないか考えているところです。

あと、形はどうであれ、これからも新藤と一緒に制作活動をしていけたらなと思っています。応援という形もよいですが、つくること自体も好きなので。


(撮影 新藤早代)
 

紹介

ところざわ学生映画祭Facebookページ
https://www.facebook.com/tokogakusai/
映画『こたつむり』Facebookページ
https://www.facebook.com/okota.girl/